「転職をしよう!」と思ったとき、「失敗したらどうしよう?」と考えたことはありませんか?
こう考えると、失敗が怖くなって活動できなくなってしまいますが、もしかしたら、あなたも今そんな風に思っているかもしれませんね。
でも、それは新しい会社で働こうとする誰もが感じるであろう当然の気持ちです。
残念なことに、厚生労働省は「転職した人の2割が転職に失敗したと感じている」という内容のデータを公表しているので、現実に他人事では済まされない問題なんですね。
今でこそ転職を成功させた私も、何度か活動をするたびにそのように思ったことがあるのでよくわかりますし、実際に失敗したこともありました。
そこで、今回の記事では、私が経験したリアルなエピソードをシェアしながら
「転職を失敗と感じるときはどんなときか?」
「万一失敗をしたときのうまい対処法はあるのか?」
ということについて、これから一緒に考えていきましょう。
今後の活動にぜひお役立て下さいね。
■目次
転職が失敗するときってどんなとき?
あなたは転職が失敗するときって一体どんなときだと思いますか?
たとえば次のような状況はいかがでしょうか。
「転職できず無職が続く」
「入社前の会社のイメージと入社後の現実が違う」
「入社前に確認済の条件と現実が異なる。」
いかがですか?
あなたもこのどれかに直面したら「失敗した!」と思ってしまうんじゃないでしょうか。
これら3つについて、それぞれ実際に職を変えた経験がある人の具体的な失敗事例について見ていきましょう。
失敗事例①「転職できず無職が続く」
「転職を決意して、仕事を辞め、活動を開始したのはいいけど、中々内定が出ずに無職の期間が長く続いてしまった・・・。」
私も転職できない時期があったのでよく分かりますが、この状態になってしまうと収入面や精神面で確実に疲弊していきます。
なぜこのような状況に陥ってしまうのかというと、次に働く先が決まっていないのに、後先考えず今の仕事をすぐに辞めてしまうためことが原因なんですね。
「今の会社を辞めて転職活動をするほうが、腰を据えて活動ができて良い」と考える人がいますが、これは間違った考え方なので注意が必要です。
転職活動中にも仕事をしていれば、経済的に困窮することはありませんが、仕事を辞めてしまったら、通常は無報酬ですので、経済的に困ってしまうことになります。
もちろん失業手当をもらいながら活動をすることもできますが、自己都合で退職をした場合、失業手当は会社を辞めてすぐにもらうことはできないんです。
(数ヶ月の待機期間を経てもらえるようになります。)
転職をするために辞めたとなれば、会社都合ではなく自己都合で辞めることになるでしょうから、失業手当という頼りない収入頼みで新しい挑戦をすることは賢い選択とは言えません。
そもそも仕事を辞めずに活動すれば、無職の期間が長くなるということもないのでこの失敗につながりませんよね。
それに、会社に所属をしている状態のほうが、実は面接時などもウケが良いんですよ。
会社で働いていて、なおかつ責任のある仕事を任されているときなどは、さらに面接官に好印象を与えることができます。
これは何故だかわかりますか?
答えは、「自分が会社に必要とされている人材だということが自分の口で直接アピールするよりも簡単にアピールできるため」です。
自分のことを自分で褒めるにはそれなりの根拠が必要になりますが、会社に現在も所属しているということは、会社からの信頼も厚く自分にスキルや経験がある、ということを暗に話していることになるんですね。
経済面・精神面でのリスクを最小限にして、また候補先の会社に良い印象を与えるためには、今の会社を辞めずに転職活動を行うことが得策ですよ。
失敗事例②「入社前の会社のイメージと入社後の現実が違う」
「頑張って転職活動して、やっとうまくいったと喜んでいたけど、実際に仕事を始めたらなんだかしっくりこない。
前の会社のほうが良かったかも・・・」
頑張って活動して、うまく転職ができても、次に就職する会社に感じたイメージと入社後の現実が違うことがあります。
「しっかり真面目に活動したにもかかわらず、そんなことってあるの?」
と思うかもしれませんが、実はけっこうあるんです。
イメージが違ってしまう理由は、
合わない理由
「給与や待遇」
「会社の雰囲気」
「上司や同僚など人間関係」
などの理由が考えられますが、大きく分けて給与や待遇などの条件面の不一致と
会社の雰囲気や人間関係の不一致に分けられます。
それぞれの場合について具体的に見ていきましょう。
給与や待遇など条件面の不一致
「前の会社は残業時間1分単位で残業代がもらえていたのに、転職先は15分単位でしかもらえない。」
「有給休暇は申請するだけでなく、実質上司の承認がないと取得できない。」
というように、「転職前に勤めていた会社と転職先の会社とで条件面は同じ」というイメージを持っていたのに、は違っていることがあります。
こうした不一致を回避したい場合には、会社から内定をもらったときに必ず再確認しておくことが有効なんですね。
しかも内定をもらった後であれば、選考中よりも給与などの質問はしやすいんですよ。
なぜなら、すでに選考は終了しているので、こんなことをしつこく聞いたら「選考が不利になるかも」と考える必要がなくなり気軽に聞けるようになるためなんですね。
もしかしたら中には、「内定後にこんなことを聞いたら内定自体取り消されないだろうか?」と恐れてしまう人もいるかもしれませんが、その心配は御無用です。
どうしてかと言うと、内定取り消しについては、会社から取り消して良いときと悪いときがあるんですね。
取消して良いのは、例えば会社の業績が悪いという理由の場合です。
業績が悪くなってしまったら、新しく人を雇って人件費を捻出することが難しくなるので、これは致し方ない、と言うことなんですね。
(内定をもらった側からしたら、どんな理由であれ、今更言われても、と思ってしまいますが)
ですので、会社の業績が悪くならない限りは内定を取り消されることは基本的にありませんので、給与や待遇面で選考中に詳しく聞けず内定後も気になることがあるのでしたら、遠慮なく聞いておくべきですよ。
会社の雰囲気や人間関係の不一致
会社に対するイメージが合わない理由のうち、社内の雰囲気や上司、先輩、同僚などの人間関係は面接時など入社以前にはどうしても確認が難しいことが多いですよね。
私たちが直接会社と相対する取り組み方では、転職先の人間関係が一体どんな状況かを知ることは難しいですが、実は良い方法が一つあるんです。
それは転職エージェントを利用すること。
なぜ良いかというと、彼らは会社の雰囲気や社員間の関係性などについて転職先企業から上手く聞き出すことができるんです。
これは各エージェントによって多少異なりますが、一般的には、会社の人事担当者と一定の関係性ができている場合が多いため、応募者が聞けないことや聞きづらいことを上手く聞いてくれるんですね。
さらにうまくいけば、その会社について公に出回っていない情報、例えば現時点での選考人数や選考時にいつも聞かれる質問などを教えてくれたりするので、本当に有利なことが多いんですよ。
ですので、会社の雰囲気や人間関係などについてはエージェントを利用して確認してもらうと良いですね。
失敗事例③「入社前に確認済みの条件と現実が異なる」
「活動中には、転職エージェントのサポートを受けながら情報収集や条件面の確認をしっかりと行いました。
これで条件面については、会社と自分との間で認識の違いがないと思っていたのに、いざ就業したら、何か言われたことと違うんです。
人事担当に言っても、認識に多少のズレがあったことの謝罪はあったけど、改善されない。
これは騙された!と感じています・・・。」
入社前に設定した条件に沿って転職をしても、入社後の条件が微妙に違う場合があります。
先ほどの失敗事例②は、そもそも条件面を確認していないから起こる失敗ですが、この失敗事例③は入社前にしっかり確認したのに起こってしまう失敗です。
実はこの場合が一番厄介なんですね。
しっかり確認していても起こる場合は起こるし、いざ起こると
「聞いてない!」
「裏切られた!」
という気持ちが強くなってしまいます。
会社側が不誠実に実際とは違う条件を提示していたとしたら、それはもちろん論外ですからすぐに他の会社に移るべきですね。
この場合は、「短期間で就業先を変えることについて、デメリットになるんじゃないか?」と考えなくて大丈夫です。
転職活動するうえで、就業先が不誠実だったことをしっかりと説明することができれば、正常な会社であれば短期間で次の会社を探すことについて何も言われることはありませんし、すぐに行動したことについても納得してくれるでしょう。
ただ、実際には、この条件の不一致は、会社とあなたのお互いのちょっとした認識のズレから起こります。
不幸にも条件が合わなくなってしまったときにどうすればよいか、以下で見ていきましょう。
①そのズレが許せるものである場合
他の条件が合致している部分に目を向けましょう。
多少のズレは多かれ少なかれ、よくあることです。
どんなにあなたが「この会社に入りたい!」と言って会社を研究したって、逆に会社側がどんなに求職者の書類に目を通し、しっかり面接したって、お互い全てを分かり切ることはできないんです。
これは当然ですよね。
このちょっとしたお互いのズレがあるからといって転職が失敗だったとは思わないほうが良いですし、思う必要はありません。
そんな小さなことは気にせずにしっかりと新しい会社で新しい仕事を頑張っていけばそのうち気にならなくなりますよ。
②ズレが許せないくらい大きなものである場合
そのまま同じ会社で働き続けるのは絶対に辛くなってきます。
仮に今は大丈夫でも、ズレが大きければ大きいほど不満は年々増していくことになるんです。
早いうちに会社を変えるなど環境を変えることを考えたほうが良いでしょうね。
なぜこんな風に言い切れるかというと、以前このズレの大きさを身をもって味わったことがあるからなんです。
これから私が実際に体験した「ズレ」をご紹介しましょう。
私の失敗体験とその後の対応
私は数年前、ある会社に契約社員として転職したことがあります。
当時正社員として働くという希望を持っていたんですが、ある会社から入社して2、3年後には正社員登用の制度を利用することで、「誰でも」正社員になれる(契約社員での入社はいわば形式的なもの)という条件提示があったため、それを何度も確認して契約社員として入社しました。
でも、実際には違っていたんです。
その会社には登用制度はあるものの、「誰でも」正社員になれるということはなく、上司の推薦を得て、登用試験に合格しなければならない、という狭き門で、登用されずに契約期間が終了する人が大半な有様でした。
しかも上司から私的に気に入られた人は登試験を受けず、正社員となっていた事例もあったんです。
(実際に受けたという体裁が取り繕われていました・・・)
このことを、私は入社した後に人事担当以外の周りの人からの話で初めて知ったわけです。
そして、現実に登用試験を受けずに正社員となったのが同時期に入社した人であることも分かったんです。
とはいえ、
「登用制度があるなら、その登用試験を突破するために努力をすれば良い」
と感じる人もいるかもしれませんね。
でも・・・私はそうは思えなかったんです。
「話が違う」
「登用制度自体が皆平等ではない」
という事前に確認していた条件のズレと相まって会社への不信感が高まってしまいました。
そして、転職して約2年経ったころに
「平等でない制度に賭けるほど危ない賭けはないし、そこは頑張るところではない。」
という想いが抑えられなくなり次の会社に行こうと決意しました。
この体験談をご覧いただいて分かるとおり、ズレが大きければ大きいほど、頑張って新しい会社に来たことが失敗したと思うようになってしまうんです。
ちなみにその後の転職活動では、短期的に仕事を変えることについて聞かれたものの、しっかり理由を説明したらその点についてネックになることはありませんでした。
ただあなたには、初めからこんな失敗をしてほしくありませんので、ズレを感じたら放っておかず、そのズレが自分にとってどの程度のズレなのかを考えてくださいね。
仮に「失敗してしまった」と感じ、その失敗があなたにとって大きいものなら、我慢せずにあなたに合った会社を探しましょう。
まとめ
「転職を失敗と感じるときはどんなときか?」
「万一失敗をしたときのうまい対処法はあるのか?」
ということについて、リアルな体験談を交えて見てきましたが、いかがだったでしょうか?
いろんなパターンの事例からお分かりいただけたとおり、転職活動がうまくいき、新しい会社でも違和感なく働ければ「成功した!」と思える一方で、中には「失敗した・・・」と感じてしまうケースもあるわけですね。
仮に「失敗してしまった」と感じ、その失敗があなたにとって大きなものなら、我慢せずにあなたに合った会社を探しましょう。
必ずありますから心配しないでくださいね。
そうは言っても、もちろん失敗しないことに越したことはありません。
今回お伝えした中で特に失敗しないために重要なポイントは、
・条件面など入社前に確認できることはしっかりやっておく
・一人での活動を避けるために転職エージェントを利用する
ということですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
この中でも、転職エージェントは本当におすすめです。
一人だけの活動はどうしても視野が狭くなりがちで、情報量も限られてしまうため、失敗してしまう確率が高くなるんですね。
でも、転職エージェントを利用するだけで、本来なら入手しづらい情報をゲットできたり、面接日程交渉なども行ってくれますので、効率が上がって、全体的に成功しやすくなります。
特に仕事をしながら活動するときは、時間が限られているでしょうからとても助かりますよ。
今回の記事があなたの転職活動が成功するための助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。